リースバック契約の落とし穴

高齢者の相談が急増中

最近、「リースバック」に関する高齢者からの相談が増加しています。リースバックとは、現在の持ち家を売却しつつも、そのまま賃貸として住み続けられる仕組みです。まとまった資金を得ることで老後資金の確保ができ、住宅ローンや固定資産税の負担からも解放されることから、近年注目を集めています。

特に年金だけでは生活が不安という高齢世代にとって、自宅を手放さずに現金化できる選択肢として魅力的に映るようです。引っ越しの手間もなく、慣れ親しんだ地域に住み続けられるという点も安心材料でしょう。

しかし、その一方でトラブルに発展するケースも目立ち始めています。中でも多いのが「契約内容を十分に理解しないままサインしてしまった」という事例です。リースバックでは「定期借家契約」が主流であり、この契約は2~3年の契約期間満了後、貸主が更新を拒否すれば居住継続ができません。つまり、売却から数年で退去を迫られる可能性があるのです。

「売却しても住み続けられる」と安心していた方が、契約終了と同時に退去を求められるという現実に直面し、困惑する例が後を絶ちません。普通借家契約のように更新が保証されるわけではない点は、しっかりと理解しておく必要があります。

リースバックを検討する際は、必ず契約書を読み込み、不明点は遠慮なく業者に質問しましょう。可能であれば、第三者である不動産の専門家や弁護士に相談するのも一つの方法です。リースバックは非常に有効な資金確保の手段である一方、誤解や確認不足が後の大きなトラブルを招く恐れもあるのです。

資産を守り、安心して老後を過ごすためにも、慎重な判断が求められます。

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えだまめ
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