沽券に関わる
不動産の売買契約で売り主の方が「雨漏りしている家を売ったということでは沽券に関わるからな」と売り主負担で防水工事をやって引き渡すということになりました。「沽券」とは、何ぞやと調べてみると、「沽券」は、江戸時代頃は土地や不動産の売買成立証であったため「売券」や「沽却状(こきゃくじょう)」ともよばれていました。「沽券に関わる」は、「人の品位や価値に関係する事柄」を表すときに使われる慣用句。「自分のプライドに関わること・差しさわりがあること」を表します。単に売買契約に留まらず、時代と共に変化してきた不動産の価値観を反映しています。土地や建物が経済の動脈であり、人々の生活基盤である以上、その取引は市場の動向に敏感に反応します。例えば、コロナ禍によるリモートワークの普及が不動産需要に与えた影響や、資産運用の一環としての不動産投資の人気は、まさに現代の「沽券」を象徴しています。何気ない一言も不動産に関係していることを改めて感じました。
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