正直不動産

その物語は、中古住宅の査定から始まりました。
内見にいくと、建物は大手ハウスメーカーの平屋建てで、内部は高級な調度品で飾られていて室内はとても魅力的でした。そして、2000㎡はゆうに超える広々とした敷地があり、ドッグランや古民家カフェにピッタリの場所だと思いました。
でも、ちょっと腑に落ちない点があったので物件を預かる前に調査が必要だと感じたところがありました。
それは、調整区域で建物の築年数からいうと土地の敷地面積が上限500㎡という縛りの問題です。あと考えられるのは農家用住宅で昭和46年9月以前の建物で既存建築物の建て替えで今の家を建てているかどうかが重要なポイントになります。調査の結果、調整区域の制限が問題視されました。調査によると、土地は線引き(市街化と調整区域に分けた年)後も畑として使われており、建築確認も取得されていましたが、いわゆる「分家住宅」として建築確認を取っていたのです。そうなってくると問題の500㎡の縛りはどうなるかということです。
所有者に確認してみると、当初は500㎡で建築確認をとったが、残りの土地は地目を畑から雑地に変えて一体的に利用していたという事でした。
これにはビックリ!!
役所に問い合わせると、都市計画法違反にあたるので、最初の建築確認取得時の状態に戻すように指導されたのです。さらに、特定の条件を満たさない限り、再建築が許可されないことも明らかになりました。
その後、所有者は売買または賃貸の両方で探してくれとのご依頼がありましたので再度調査をした結果、現在の状態では賃貸もままならないという回答でした。
その旨を所有者に伝えると「余計なことをしやがって!もうお宅には頼まないから」とけんもほろろに媒介契約を解除されてしまいました。
これが、“正直不動産”の結末です。
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