これは雨漏り?


遺品整理を請け負う企業からの紹介で、相続予定の方のお姉さまが亡くなった弟の家の査定依頼が始まりました。物件は40年前に分譲が始まった人気の住宅街で、最寄り駅や買い物にも便利な場所でした。お姉さまは遠方に住んでおり、遺品整理をしながら一人で通いつめていましたが、大変な作業で遺品整理業者の協力を求めました。

 家は広い土地に昔ながらの和風の建物でしたが、近隣の現代的な建物とは異なりました。しかし、和室をフローリングにリフォームすれば素敵な住まいになるかもしれないと思われました。

 整理が進み終盤に近づいた時、売主から「2階から雨漏りしている」との連絡がありました。駆けつけると雨は降っておらず、原因を特定するために信頼できるホームインスペクション業者に依頼しましたが、二度の検査でも原因は分からず、内部を一部壊して調査することになりました。

 結果は「結露」でした。壁を壊すと断熱材や活性炭が詰まっており、経年劣化により結露対策が効かなくなってしまい、「雨漏り」の現象が起きたと思われました。

この経験から、見えない箇所の瑕疵には神経を使い、建物検査を推奨することが教訓となりました。最終的には物件を買い取り、クレームのリスクを避けるために建物を更地にし、スッキリとした状態で再販することが決定されました。

投稿者プロフィール

小野 潔子
小野 潔子
■趣味:草むしり(無になれます)、ビール造り(仕込み中が好きです)
■好きな言葉:不撓不屈、日々是好日
■資格:宅地建物取引士、AFP、リノベーションコーディネーター
■売買への思い:
不要になった空家・空地を必要な人に届けて地域の活性化につなげます。
■査定への思い:
安すぎず、高すぎず、市場にあった価格を提案し、売主様・買主様双方に喜んでいただけるような対応をします。
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